くさいと言われるサンノジを美味しく食べたい

釣り

2021.04.17





最近、マグレのハマチ(71cm)を釣り上げてからというもの、外洋のイカダ釣りにはまっています。

ハマチ

しかし、あれから通えど通えど初回のような良いことが起こりません。
その代りにこいつが連荘でヒットしてくれます。

サンノジ  ニザダイ

サンノジ

英語名のSawtail(ソーテイル)は尾びれにあるノコギリのような刃が由来です。
サンノジ
下の写真は台所で上から撮った写真です。ギザギザが左右対称で並んでます。
サンノジ
ガチガチで服とかに引っかかります。

一度、初めて釣った時に釣ったその場で血抜きして、内臓も出して刺身にしたのですが、内臓出したときに内臓を壊してしまって、身についたせいか、身にとてもすごい匂いがついてしまってなかなか食べ切るのに難儀しました。

ということで、今回は前回の失敗を踏まえ、血抜きした後に外科手術のように慎重に処理して食べてみました。

 

調理

釣り上げた中で一番大きい35cmのサンノジを一匹だけ持って帰ることにしました。
まずは釣ってすぐに血抜きをして海水をはったバケツに漬けておきます。
血抜きが済んだのを確認したら、いよいよ内臓処理です。
捌く前から独特のにおい(どういう匂いかは後述)がすでにしますが、お尻からナイフを入れて、内臓に刃が届かないように慎重にお腹だけ切っていきます。

サンノジ

渦巻き状の大きな内臓が見えます。ほかの魚に比べてサンノジは消化器官が大きく発達していて、匂いはこのせいなのかな、とも思います。大きく発達しているがゆえに他の魚が食べれない海藻などを消化できるとか、他の魚にはないバクテリアと腸で共生しているとか。そのせいで匂うとかかな?

そこから内臓と腹膜を、腸が破れないように少しずつはがしていきます。
サンノジ

15分ほど掛けてなんとか内臓を壊さず綺麗に取りだすことができました。内臓が破けていないとはいえ、すでにかなりの匂いです。どんな匂いかというと、汚い話で申し訳ないですが、たまに喉の奥からでてくる白い小さな玉。あのくっさい奴です。扁桃腺の防御機能で死んだバクテリアなどが固まってできた老廃物らしいですが、あれの匂いにそっくりです。

サンノジ

自分の手と比べるとこれぐらいの大きさです。

サンノジ

ここからは氷漬けにして家で捌きます。

サンノジ
家につきました。

死後でも尻ビレの青い縁取りが色あせることなく綺麗です。
サンノジ

三枚におろして、皮を剥いでみました。
骨の硬さはこの大きさの魚の標準くらいでしたが、
皮がカワハギとまではいかないまでも結構ザラザラで
包丁の刃が段々鈍っていく感じがします。
皮を剥ぐときは身が硬いので、身を押さえながら手でなんとか剥けますが皮が身にピッチリくっついているので、カワハギの2倍くらい大変です。

サンノジなんとか皮を剥ぎました。これだけみたら鯛のような身に見えます。

皮を剥いだときに気付いたのですが、あの尾びれの根元にある
透明ののこぎりの刃のようなギザギザ。

サンノジ

あれってちゃんと身にも痕が付いていました。

サンノジ

身だけ見るとマダイの身に見えなくもないんですが。
最近、ティラピアを「イズミダイ」という名前で売ったり、わけのわからない深海魚を「タラ」として売ったりされてますが、もし上の黒い跡が付いていて、○○鯛という名前で売ってたら、サンノジである可能性が高いです。

皮を剥いでるときに身が相当硬いのはわかっていたので、キッチンペーパーとラップにくるんで、冷蔵庫で2日寝かせました。

2日後に、キッチンペーパーとラップから取りだし、中骨を取り除いたら切っていってさらに盛り付けて完成です。

サンノジ

実食

調理中にある程度はわかっていたのですが、やっぱり、匂い、あります。

実は、外洋イカダで初めてハマチを釣った後に、もう一回イカダに乗った時にサンノジを3匹持って帰って食べたんですが、内臓の処理に失敗して、それはもう酷い匂いで食べ切るのに難儀したんです。
サンノジ

その時に比べると、6割減でだいぶましなんですが、それでもやっぱり刺身で食べ続けるのがつらい匂いです。

そして、皮を剥ぐときにわかっていたのですが、2日置いても身がかなり硬いです。
普通の刺身のサイズに切ってしまったため、かなり硬く、噛み切れませんでした。ネコザメよりかは柔らかいですが、もっとフグ刺しのように薄く切るべきでした。
ネコザメ食べてみた

肝心の味ですが・・・。
なんと味はとても良いです!!
白く脂で濁った身は旨みがあり、脂も十分に感じられて、味自体はとても美味しい魚種だと思います。
が!匂い!

内臓を丁寧に処理下にも拘わらずこの匂いのせいでどうしても評価が下がります。

ということで、この匂いをどうにかしようと思い、ニンニク、ショウガ、醤油をかけていわゆる「漬け」にして2日間冷蔵庫で寝かせました。

それがこちら。
サンノジ

ニンニクとショウガが効いていて、サンノジ独特のにおいがかなり軽減されています。刺身のころと比べると6~7割減です。
そして、硬かった身がだいぶ熟成してモチモチ柔らかくなって旨みも増していました。

これだったらサンノジの「独特の風味」で食べたことのない人にも納得してもらえそうなくらいです。

 

ということで今回はかなり匂うサンノジをどうしたら美味しく食べれるか食レポしてみました。

動画も併せて見てみてください

ちなみに、サンノジを15連荘くらいした後にカワハギがマグレで釣れて気が付いたんですが、カワハギとサンノジっておちょぼ口が似てるよね。
サンノジ  カワハギ


 

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