こんにちは。
いきなりですがカツオが好きです。
マグロよりカツオが好きです。
以前はタマネギのスライスに刻みネギを散らし、ポン酢を掛けて食べるのが好きでしたが、今は薬味をいっさい付けず、粗塩を振りかけて食べるのにハマってます。粗塩によって味がぎゅっと凝縮され、濃厚なカツオの純粋な旨みが堪能できます。
そんなカツオをいつか釣ってみたい、できたら一本釣りっていうのやってみたい・・・
今回その夢が叶いましたので、カツオの一本釣りの体験レポートを書きます。
ポイントが遠い
朝4時。
到着時には真っ暗で誰もいない港でしたが、すぐに船長はじめクルーの方達が集まってきて真っ暗なうちに出船しました。
闇夜の中の出発です。
「真っ暗な中、よく他の船にぶつからないで出れるなぁ・・・。」
と、漁師さんに失礼なことを思っていました。
いやぁ、最近、小型釣り船の船長を何回かやったんですが、船の係留場所から10m先のブイにぶつかって貸し船のオーナーから免許を本当に持っているのか心配されたことがありまして。それも日中。
その何十倍もある漁船を真夜中に、それも他の船が色々なところに停泊してる中、ぶつからずに出れるのは正直に感心してしまいました。
イワシ一杯の白いバケツで5千円だそうです。
それを10杯くらい入れてました。
エサ代だけで5万円!!!
最近、アオイソメがちょびっとしか入ってなくて500円は高いなぁ、と思っていたのですが、次元が違いました。
イワシを積み込んだら、一路、沖に向かって一直線です。
船員の方に聞いてみました。
どれくらい沖行くんですかって。
船員「そりゃ、おめぇこっから4時間くらいだぁ」
4時間!?
片道っすか!?
そんなに船に乗ったのは、竹芝桟橋から大島にフェリーで行ったとき以来です。
愛媛の佐田岬と大分の三崎を行き来する九四フェリーだって1時間くらいなのに・・・。
だんだんと遠くなる陸地。
そしてついに見えなくなったときには、さすがにすこし怖くなりました。
もしここでエンジン壊れたら・・・
実は船員のだれかに知らずに恨み買ってて、海に突き落とされたら・・・
多額の借金返済のためにマグロの遠洋漁業船に乗るってこんな気分なのかなぁ。
さすがに4時間もあると退屈なのでテーブルの上を見てみると、今回使うカツオの仕掛けが。
なるほど。
初めて見ましたが、こういうカエシの無い、そしてこの形状だから抜き上げたときに針が勝手に外れて、すぐさま次のカツオを狙えるようになってるんですね。
仕掛けを観察したりお菓子をつまんだりしていると、ついに釣り場に到着しました。
通称、黒潮牧場!カツオの漁場を作るために人工的に設置されたパヤオです。
この海域には10基くらい色々なところに設置されているそうですが、この片道4時間かけてたどり着いたのが一番近いものだそうです。
まじか・・・
ということで、さっそく釣り開始です。
実釣開始
まずは仕掛けです。
竿もシマノ~とかダイワ~とかメーカー品じゃなくて、竿というよりも物干しざおと言った方がしっくりきます。
もう、釣りカタログの、
「竿の粘りで大物を浮かす!!」 とか
「このスパイラルXにより竿の強度がアップ!」 とか
そういう次元じゃないんですよ。
もうね、掛かったらとにかく全身全霊フルパワーでぶっこぬく。
それだけです。
粘りとかスパイラルなんちゃらとかは一切不要です。
自分の持ち場についたらカブラを投げ入れ、竿先を震わせてエサのイワシのような演出をします。船も散水を始めました。おお~本当にテレビで見た通り水を撒いてる!!
一人、エサのイワシを投げ入れる人がいて、その投げ入れられたイワシに夢中になったカツオがカブラにも食いついてしまう寸法で、舳先に陣取った人たちはのっけから釣りまくってます。散水もたくさんイワシが撒かれているように見せる目くらましだそうです。
釣り上げられたカツオが船上を滑って氷のぎっちり入った船倉にすべりおちていきます。
なるほど・・・
効率よくカツオを釣って、尚且つ鮮度良く保つシステムが船上には出来上がっていました。
子供のころテレビで見たカツオの一本釣りの現場に入れるなんて夢見たいです。
ところで・・・・
さっきからまったくアタリがありません。
自分だけ。
自分以外の人は釣りまくってます。
これでは連れてきてくれた船長に申し訳ないです。
一人分の油代すら釣ってません。
ってか、逆に油代請求されてもおかしくありません。
動画ではカットしましたが、釣り始めて1時間、他の人が大体一人あたり10~20匹釣ってる間に一回当たりがありました。
すぐ外れましたが・・・
同じ釣り方をしているのですが、まったく釣れず、次第に日が高くなり海が紺碧のブルーへと変化する頃。
あまりに憐れにおもったイワシを撒いていた船員さんが、針をカブラから通常の針に変えて、撒いている生きイワシをエサにするようにアドバイスくれました。
これを落とします。
しばらくして・・・
いきなり竿をひったくるアタリ!
カツオが食った!
急いで竿を持ち直して踏ん張ると、すっと軽くなる。
またバレた・・・
上げてみるとイワシの胴体部分がなくなってる。
食い込みが足りなかったか・・・
と、いっても竿の長さと自分の釣り座が限られているので、アタリがあってから送り込むこともできないけど。
次のイワシを付けて、落として5分ほど経つと、再びひったくるようなアタリ!
急いで竿を持ち直して踏ん張り、竿尻を下っ腹にあてて強烈な引き込みに耐えつつ、思いっきり引っ張る。
ズバッと水面から上がってくるカツオ!
おおっ、これが一本釣り!!
ムキムキマッチョマンとかでは全然ないけど、それでも余裕で引っこ抜けました。
カツオ。
夢が叶いました。
船長ありがとうござます!!
それからもみんながガッツリ釣ってる中、ポツリポツリと釣れました。
嬉しかったのはキハダマグロ。
人生初のマグロです。
2~3kgほどの小型でしたが、嬉しかったです。
カツオよりも遊泳力が強いのでしょうか。引きがカツオよりも強く感じました。
その後、なんとか10匹程釣ることができました。
それでは動画をどうぞ!!
↓
フィードバックと考察
今回初めてカツオの一本釣りをしてみて感じた事などを書きます。
まずは装備。
今回、カツオの一本釣りを甘く見ていて、長靴しか持って行かなかったため、全身、頭から足までカツオの血と海水が混じった水でドロドロになりました。
動画を見てけば時間を追うごとに段々ずぶ濡れになっているのが分かるかと思います。
長靴なんか血まみれの水一杯たっぷり溜まるので、その都度脱いで水を出していました。
なんでこういうことが起きるかというと、船倉には氷と海水がまじった氷水があるのですが、釣ったカツオをそこに突っ込むと、その中でめちゃくちゃ暴れて、水やら氷やらを跳ね上げます。あの超振動の尾びれで氷水を跳ね上げるので、小さな噴水といっても過言ではありません。その氷水が船倉の近くで釣っている自分に当たって、長靴の中に氷水がホールインワンするわけです。どんどんカツオが釣り上げられ船倉に入れられていくため、ひたすらこの噴水が船倉の全方位に飛び散ります。それでその近くで釣ってる自分はどんどん頭から足までドロドロになっていきます。
それで皆さん全身カッパを着てるんですねぇ~ なるほど。
また一つ賢くなりました。
次に釣り座です。
ズバリポイントはイワシを撒く人の位置と船の流し方です。
エサを撒いて釣るやり方は、海に撒かれたエサが海流に乗って、下流のほうへ流れていくので、エサを撒いている下流側にいる人に有利になります。
下の船の船首部分の図を見てください。
イワシを撒く人の位置、他の釣り人の位置、潮の流れや船の流れを表しています。
赤丸からイワシが放出されて、潮の流れで上に流れていきます。①~⑥は釣り座で自分は⑥でした。
船はバックで流しているので、潮の流れが止まっていたとしてもエサのイワシは船首側へと流れていきます。
ということで、エサの流れていく①~⑤の釣り座が有利、とりわけ①~③の釣り座の人達が一番数多く釣っていてまさに特等席です。①~⑤の人たちはみな疑似餌のカブラで釣れていました。
ということで、もし機会があってカツオの一本釣りができるならば、①~③のどれかの釣り座を取ることをオススメします。
最後にカツオ船では恒例だそうで、釣ったばかりのカツオを生とタタキにして船上で食べさせてもらいました。当然ですが、居酒屋やスーパー買ったカツオとは雲泥の差で、身がとにかくモチモチ、歯茎に吸い付くような食感で、カツオ好きには本当にたまりませんでした。
今回、このカツオ釣りに声を掛けてくれた知り合いの方、そして連れて行ってくれた船長、イワシを使うようにアドバイスをくれた船員の方達のお陰で夢が叶い、人生に残る貴重な体験ができました。本当にありがとうございました。
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