みなさん、こんにちは。
今回は別に「以前から気になってた~」とか、「食べてみたかった~」とかでは全くないんですが、たまたま釣れてしまったので、ちょっと珍しい魚、イトヒキアジの食レポをお届けします。
これがイトヒキアジ。背びれと尻ビレから伸びる軟条が特徴の頭でっかちのアジです。
泳いでるときに、この軟条が糸を引いてるように見えるからこの名前だそうです。
分かりやすい。
さっそくこのイトヒキアジについて特徴ごとに見ていきましょう!
英語名がなぜアフリカ??
日本語名の由来は上で説明した通りなのですが、YouTube動画に日本語と英語の字幕を入れている関係で、イトヒキアジの英語名も調べました。
すると、一番最初にヒットした名前が、
「African Pompano」
アフリカン ポンパノ
・・・アフリカ系イタリア人?
ここは日本なのに何故、アフリカ?
調べてみるとアフリカの海にも生息しているようで、そこの学者が最初に名付けたのかな?
ちなみにシマアジは「White trevally」ホワイト トレヴァリー
確かに顔がGTみたいだしトレヴァリーってかっこいいよね。
でも、このイトヒキアジだって顔だけみたらGTにかなり似てると思うんだが・・。
いや、むしろシマアジよりもGTに似てない?
なんだったらThreadfin Trevalley スレッドフィン トレヴァリー(意味:糸のようなヒレをもつトレヴァリー)とかのほうがしっくりくると思うんだが・・・。
なにゆえアフリカ?
そう言えば、サワラも英名がSpanish Mackerelで以前自分の動画にも海外の人(おそらくヨーロッパ在住?)SpanishなのになんでJapanで釣れるんだ、みたいなコメントしてたなぁ。
他には、「Ciliated Threadfish」(繊毛のある糸魚)という名前もありました。Ciliated が「G」iliatedになっているサイトもあったけど、あれはCiliatedの間違いだと思います。
ちなみにCiliated (形容詞:繊毛のある、繊毛をもつ)はゴカイとかアオイソメのような多毛類を表現するときによく使います。
背ビレと尻ビレから伸びた軟条がなぜかストライプ模様
ここからじっくりと体を調べちゃいます。ぐへへ・・
まずは大きさ。
頭の先から尻尾の先までは釣り上げた直後で丁度50cm。
しかし、この伸びている軟条を入れると78cmになります。
ウィキペディアには最大1.5mの記録があるって書かれているけど、この軟条をいれたのか、いれてないのか気になります。
さて、軟条ですが、背ビレからは4本、尻ビレからは1本伸びていて、背ビレの1番目の軟条が一番長いです。軟条の部分だけで40cmでした。そして、よく見てみると背ビレの軟条はなんと白、黒、白、黒と交互に色がついています。
なにこの囚人服みたいなストライプは 笑
イワシは海鳥に狙われにくいように背中は黒、下から捕食魚に狙われないように腹側は銀色だけど、この白黒ストライプにもそんな感じの意味があるんだろうか。
白黒で捕食魚の遠近感を狂わせるみたいな?
なんか「るろうに剣心」にそんなキャラがいたような気がする。
そして、面白いのが、背ビレからの軟条は白黒なのに、尻ビレから伸びている軟条は白一色。
う~~ん、理由はなんだろう?
そもそもなぜヒレの一部がこんなに伸びるようになったのか、進化の過程をたどったら面白そうですね。
体を大きく見せて、捕食魚から身を守るためとか?
でも、それならわざわざこんなギンギラギンの体して目立つアピールしないと思うが・・・う~~ん
肛門の位置が前すぎる。えっ内臓の場所がこんなとこまで?
さて、次に気になったのが肛門の位置です。
なにもそんなところまで見なくたって・・・と思う人もいるとは思いますが、
もう二度と釣れない気がするので、まるっと全身見てみます。
それで、肛門なんですが、位置が随分前なんですよ。
普通、肛門って尻ビレの付け根くらいにあります。
他の魚はそうなってます。
47cmのボラ。こいつは釣り上げてからよくプリプリうんちしてました。
そのウンチプリプリ47cmのボラを泳がせて釣り上げたのがこのアカメ106cm。
釣り上げるなり脱肛してる人生初のシロアマダイ。イセエビみたいな食感と味の不思議な高級魚でした。
それがこの人はここですよ、奥さん、ここっ!
腹鰭のすぐ後ろに肛門があります。
(動画では腹鰭を「胸鰭」とレンコダイしてますが無視してください)
どうなっているのか、さっそく3枚におろして、中をみてみました。
そしたら、なんとこうなっていました。
なんと、体腔のだいぶ後ろまで内臓のスペースがあって、そこから前に肛門があります。
こんな構造あるのか・・・
人間でいったら太ももくらいまで内臓詰まってて、そこから上の肛門に逆のぼって排せつされる感じ?
面白いなぁ
気になるお味はマアジの上位互換!?
お待たせしました。
観察はこれくらいで、ここから実食も含めたレポ―トをしていきます。
まず、すごい捌きやすいです。
鱗はほとんどなく、落とす必要なし。その代り若干ヌメリがあります。
骨もエソみたいな小骨はありません。
身が締まっているので、非常に3枚におろしやすいです。
身は白く濁った乳白色。
アニサキスやブリ線虫などの寄生虫は確認されませんでした。
ブリ線虫はともかく、アニサキスがもしいたら、この身の色は見つけるのがかなり難しいなぁ。
皮は自分が苦手というのもあって引きづらく、身に残ってしまいました。
たぶん、スーパーの鮮魚コーナー担当の人とかだったら問題なく皮は綺麗に引けると思います。
そして、薄く切っていきます。
完成
実食していきます。
まずは歯ごたえ。
その日に釣ったというのもあって、身はコリコリして歯ごたえがありました。
食べ切れなかったので、漬けにして、翌日食べたところ、やわらかくなってより美味しく感じました。
まぁ、歯ごたえは並みな感想です。
次はアジ、じゃなくて味!
はっきり言って、美味しかったです。
個人的には、シマアジとマアジの中間からマアジ寄りくらい。今回脂が乗っていなかったのですが、脂が乗っていたらシマアジとあまり変わりません。しかし、身自体の旨みはマアジよりもあり、まさにマアジの上位互換という感じでした。
個人的な感想は下のような感じです。
シマアジ >>>> イトヒキアジ >> マアジ
動画では普通のアジと変わらないと言ってますが、味に対する即興の語彙力がないだけで、あとで実際はこうだったなぁ~ていうのをこのブログで書いてます。ですので、ブログの方がより事実に即しています。
ちなみに、この魚の名前をネットで検索すると一番上にヒットするサイトでは、「旨みが乏しい魚」と書かれていますが、時期とか個体差にもよるのでしょうか。個人的にはマアジよりも美味かったです。
その日のうちに食べるのも良いですが、上でも書いた通り、一晩醤油に漬けておくと、身がやわらかくなるだけでなく、甘味や旨みが増してさらに美味しくなります。
もし手に入れたら試してみてください。
今回の動画です
↓
ちなみに、この日は渋く、自分は朝一発目にこのイトヒキアジをスレで釣りましたが、午後1時にサワラ(たぶん)にスパーンと一瞬でジグをかっさらわれ、意気消沈のまま2時に上がりました。同船者はタイラバでイトヨリとチダイを釣って自分にくれました。(嬉)
本日の釣果↓
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