イノシシを捕まえて捌いて食べてみた。罠の設置から解体、調理まで

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2019.02.26

※注意
この記事は不快、またはグロテスクな内容を含んでいる可能性があります。閲覧は個人の責任で行ってください。またリンクを貼っている動画ですが、Youtubeの運営のポリシーの関係で止め刺しや解体部分を一部省略していますので、ここの文章でできる限り補足します。



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もともと釣りが趣味で、そこからいつか狩猟などもしてみたいと
常々思っていました。

しかし、資格なども持っていないし、獲り方もわからないしでなかなか
最初の一歩を踏み出せないでいました。

ある日、知り合いの人に思い切って相談してみると、人づてで快く猟師さんを紹介してくれました。

その後、猟師さんと連絡を取り合い、ついに初のイノシシ猟へと連れて行ってもらうことができました。2018年夏のことでした。

それから何回か連れて行ってもらうことができたので、ここにその情報を残します。

イノシシ くくり罠

猟師さんが自作しているくくり罠

 


罠を仕掛ける場所


 

今回猟師さんと自分が仕掛けた流れを一例にしています。

まず、罠を仕掛ける大まかなエリアですが、近くに半島があり、そこに仕掛けていました。別に半島である必要はなく、森のあるエリアならどこでも獲れると思います。

仕掛ける場所は他の人が立ち入ってしまう可能性も考慮し、道路端の森の藪が切れ込んでいる場所から入り、その奥まったところで獣道を探します。ここを「1カ所」とし、多い場合はこの1カ所でイノシシの通りやすいところに3つほどの罠を仕掛けます。

仕掛ける箇所の数ですが、もし獲れていた場合、あまり放置すると肉の質が劣化して、本来の食べる意味が失われれてしまいますので、そこを考慮して2日に1回は見回りに行くことになります。その手間を考えると、仕掛ける箇所が多いと見回るのが大変なので、4カ所、合計12個ほどの罠を仕掛けていました。

イノシシ くくり罠

くくり罠という罠名で、プラスチックに丸い板が内側にはめ込まれた罠を使いました。外側にワイヤーをはめ、そのワイヤーを根元に付いているスプリングで締めます。
獲物が真ん中の丸い板を踏んだ瞬間スプリングの反動でワイヤーが足首に締まるようになっています。猟師の方曰く、人間は足の形からして、まずこのくくり罠にかからないので大丈夫だそうです。もし、仮に山登り中にひっかかってしまった場合はスプリングのところにあるネジを緩めましょう。スプリングがもどり、ワイヤーが緩みます。

アマゾンでも売ってました。

ちなみに罠1個7000円ほどだそうですが、猟師の方曰く、自分で罠を作るのも楽しみ、だそうで、仕掛けている罠はすべて自作だそうです。



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罠の設置


まずは獣道で、尚且つイノシシが頻繁に通ってそうな場所を選びます。ちかくに、イノシシが体をこすりつけたり、休めたりする1m~2mくらいの地面のへこみ(下草がないことが多い)などがあると、そのポイントは非常に可能性があります。

イノシシ 休む場所

このように地面がへこんでいる場所はイノシシが休んでいた場所です

次に木の選別です。大きいイノシシとなると、細い木ではへし折って罠ごと逃げていきますので、人が全力でも揺れないくらいの木があればベストです。ちなみに猟師さんによると、過去一回だけ太い木をへし折って逃げたイノシシがいるそうです。オッコトヌシか。

イノシシがいる可能性のある場所だとわかったら、次は設置場所です。自分たちはイノシシなどが休む窪地周辺の獣道に仕掛けました。どういう獣道がよいかというと、幅が狭く、道の端がガケになっていたり、2mくらいの急斜面になっている、または木の間であったり通るルートがかなり狭まっているような場所です。

こういったところに罠を仕掛けます。

手順はまず罠がすっぽり埋まるぐらいの深さを掘ります。丁度いい穴が掘れたら、罠を埋める前に、木にワイヤーを結びます。そして、スプリングを引き絞り、ネジを締め固定します。それから罠を埋め、上に土を数㎝くらい掛けます。

ここからが重要です。
罠を埋めた後、ある程度太い木の棒などを罠を仕掛けた獣道に対して直角におき、そこを通ったイノシシがちょうど木の棒をまたいで、間の罠を踏むように周りの環境をおぜん立てしていきます。また罠の埋まってる周辺に枯れ葉などを撒き、罠のところだけきれいに通りやすくしておくことも大事です。

イノシシ 罠

こんな感じで枝をおき、間に罠を仕掛け、枝をまたいだ時に仕掛けを踏ませます。

さて、夏ごろから罠を仕掛けてからというものの、自分が同行するときには何も獲れず、仕事で同行できないときに獲れる、ということが繰り返され、なかなか捕獲現場を見れない状況が続いていました。

今年は無理かなぁー・・・

年末で仕事が終わった後、水路で釣りしながら、ふとこんなことを思っていたら、突然猟師さんから電話がかかり、なんとまとめて3頭も獲れたので、今からくるか?と。

一回に3頭も!!!

猟に連れて行ってもらってからというもの、一回もイノシシを見たことがなかったから、イノシシが気を利かせてくれたのかな・・・。

即答でお願いし、釣りを中断し、連れて行ってもらいました。
12月28日のことでした。

現地に到着してみると、もっと森の奥かと思いきや、意外や意外、農道の真横の3mくらい上の崖でした。冬で下草もあまりなく、農道からイノシシが掛かっているのが丸見えな状況でした。

イノシシ 捕獲 くくり罠

イノシシ 捕獲 くくり罠

イノシシ 捕獲 くくり罠

すげぇ・・・イノシシって本当にいるんだ・・・・・

ここだけのはなし、猟師さんには申し訳ないですが、本当にイノシシがいるなんてこの瞬間まで信じられませんでした。

さっそく近くまで見に行くと、大きさ的にはウリンボ卒業してから数年といった大きさでまだ可愛いさが残る個体でした。

とはいっても、イノシシはイノシシ。10kgほどの個体でしたが突っ込んでこられたら骨折くらいはすると思います。

さらにもう一匹の罠に掛かっているイノシシを見に行く。
上の方まで登っていくと、いた!!

イノシシ 捕獲 くくり罠

ちょっとした斜面のところでワイヤーが木に絡まって動けなくなってる。
さっきよりも全然でかい。5倍くらいの大きさで、見つけた瞬間、もののけ姫のオッコトヌシを若干想像しました。

ちなみに3匹目ですが、電話してくれた後にまた見に行ったら逃げてしまっていたそうです。



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イノシシの仕留め方


この時獲れたのが10kgの個体1、50kg~60kgの個体1でした。
それぞれ仕留め方を書いていきます。

まず10kgの個体は猟師さんがナタでそこら辺のある程度太くて、
重みのある木を切ってきて(2mほどの長さ)、イノシシの射程距離外から頭を3回ヒットさせて動けなくしたところで、ナイフで心臓部分を刺し、血抜きをしました。

もう一匹の個体は棒で殴ってどうにかできるサイズではないので、3mほどの距離から頭部に銃弾を2発で仕留めたあと、ナイフで心臓の部分を止めざしして血抜き処理を行いました。

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ここからは初めてイノシシを仕留めるところを間近でみた自分の感想です。

趣味が釣りで釣った魚をよく自分で捌いて食べていたので、こういったことはある程度慣れているつもりでしたが、魚とイノシシではまったく違っていました。
10kg個体を棒で殴り、痙攣しているところをナイフで心臓部分を刺すと、イノシシの呼吸に合わせて、刺した部分から血がドボッ、ドボツと流れでます。そのときイノシシの目は前方をうつろに見つめたまま、体は痙攣していました。
その光景を見た瞬間、「狩猟」という言葉に自分がいままで漠然と感じていたワイルドなイメージや感覚はすべて消え去りました。イノシシの呼吸に合わせて流れ出る血と共に、イノシシの体の痙攣が段々弱々しくなっていくのを見て、目の前で命が血と共に零れ落ちていくのを見て涙が出てきました。
とても深い感情が自分に流れ込み、いままで狩猟に対して思っていた自分のイメージが軽薄だったことを感情をもって実感しました。
それとともに日々自分たちが食べている鶏肉、豚肉、牛肉なども機械的であれ、このような処理がされてから、あのようにスーパーに並んでいることを初めて目の当りし、食肉に対しての見方が変わりました。

飽食の時代に生きる我々現代人にはこういった経験が必要なのではないかと思う一方、これから自分の食べる肉に対して感謝の気持ちでいただこうと決意した、とても価値のある経験でした。
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止め刺しをした後で、血が流れ出切ったのを確認したら次は山おろしの作業です。

イノシシ 止め刺し

止め刺しの直後。残酷ですが、食肉にはすべてこのような処理がされています

イノシシの上あごのところにロープをかけ、そのまま引きずり下ろすのですが、山の斜面は平坦でないうえ、あちらこちらに切り株や木があり、なかなか引きずり下ろせません。近くにちょっとした崖や段差などがあれば重量を利用して、上から転げ落とすのが一番効率が良いです。

イノシシ  くくり罠

見えづらいですが、上あごにロープを掛けてひっぱります。

ちなみにこの50~60kgのイノシシは山からおろした後の平地ですら一人で引きずるのはものすごい大変でした。

10kgサイズならともかく50kgくらいになると一人での作業は非常に困難になるので、もう一人呼んだほうが賢明です。というか一人じゃ無理です。

また運搬用に大型のトレーが必要になります。
50kgのイノシシは死後すぐはまだ硬直していなくグニャグニャしており、たとえ足をつかんだとしても車の荷台に載せるのは一人では不可能です。

まずはトレーの上に乗せ、そのあと二人で車の荷台に乗せるのが手っ取り早いです。



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イノシシの解体 


解体方法にも色々あるようです。
今回教えてもらった方法で必要な道具や人員は、給湯器、ホース、手斧、包丁、毛刈り(下に写真あります)、2mx1.5mくらいの板、解体した内臓や頭などを入れるトレー、人ひとり入れるくらいの桶(血を洗い流す為に、予め水を貯めておきます)、少なくとも助っ人1人、です。

まず、イノシシを板の上に乗せ、包丁で耳、尻尾を切り落としていきます。

イノシシ 解体方法

次に給湯器の温度を75℃に設定します。
給湯器とホースをつないでゆっくりイノシシにお湯を掛けます。庭に水を撒くわけではないので、勢いは弱めにします。
毛刈りでお湯を掛けながらイノシシ表面をこすって毛を取り除いていきます。
イノシシ 解体方法

給湯器の温度は75℃がベストです。
これ以上低いと毛が抜けにくくなりますし、これ以上高いと逆に肉を茹でてしまいます。
また毛刈りは別に専用のものである必要はありませんが、切れすぎると毛を剃ってしまい、剛毛の毛根から抜けませんので、ある程度刃先が鈍いものが良いです。ただあまり鈍すぎると毛を抜く効率が落ちますので、給湯器の温度といっしょで「ある程度」がベストです。

イノシシ 解体方法

毛をむしった道具。これでお湯を掛けながら擦りまくる

毛を綺麗に取り除いたらこんな感じになると思います。
イノシシ 解体方法ちなみにこれはオスだそうです。どこについてるのかは不明です。

意外と色白です。
次に頭を切り落とします。
まずは包丁で首にぐるっと頸椎まで切れ込みを入れます。
包丁で頸椎を切るのは難しいので、頸椎まで行ったら、手斧で叩き落とします。

イノシシ 解体方法

包丁で首周りに切り込みを入れて

イノシシ 解体方法

手斧で頸椎を切断します

次に腹を上にして、頭を落としところから腹に切れ込みを入れ、下っ腹のあたりで止めます。ここからは膀胱があるので、慎重に表面をゆっくりと切りつつ膀胱を取り除きます。間違えて膀胱を破裂させると溜まっていた尿が一面に散らばり、肉はすべて臭くなります。膀胱部分を体腔から外したら、切り落とさないでお尻の外に置いておきます。後で内臓と一緒に丸ごと取りだすためです。

イノシシ 解体方法

イノシシ 解体方法

膀胱が破裂すると終わりなので慎重に取っていきます

次にさっき入れた腹の切れ込み部分から手斧で胸椎とアバラを叩き切って分離させます。

イノシシ 解体方法

そしたら、もう一人に体腔を開いてもらいながら、もう一人が首の食道の部分を掴んで腹膜をはがすように内臓全体を体腔から出します。そして、切り離していなかった膀胱の部分と一緒に内臓を丸ごと引っ張り出します。これで内臓の取りだしが完了です。取りだす前に膀胱、または大腸が破裂してしまった方はご愁傷さまです。

イノシシ 解体方法

イノシシ 解体方法

イノシシ 解体方法

切り残しておいた膀胱と一緒に取り除き、最後は包丁で切り離します

次に下腿の座骨と背骨の接続部分の両端についているヒレ肉を切り落とします。イノシシ 解体方法ちなみに、この部分は一頭から2切れしか取れない貴重な部位でタタキにして食べると最高らしいですが、寄生虫が怖いので、今回は火を通しました。

ここで、貯めた水で体腔を洗い流します。
次に手斧で背骨と肋骨の根元を叩き切ります。

イノシシ 解体方法

包丁で背骨を持ち上げつつ、背骨から肉を削ぎ取るように胴体から背骨を切り離していきます。

イノシシ 解体方法

背骨を切り離したら、包丁で胴体の真ん中から半分に切り分けます。

イノシシ 解体方法

半身にしたら足の第2関節に包丁でぐるっと切れ込みを入れ、最後は手で体重を掛けるようにして、折ります。これで取れなかったら、包丁で腱を切って、足を切り落とします。

イノシシ 解体方法

イノシシ 解体方法

次に肉を30cm四方に切り分けます。

アバラはそれぞれの骨に沿って切れ込みを入れます。
その後、上の方から包丁で一本ずつ切り離していきます。
詳しくは動画を見てください。

次に肩甲骨を取り除きます。
これも説明が難しいので、これも動画を見てください。

ざっとこんな感じで解体は終了です。

 



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イノシシ料理


猟師さんたちのご好意で肉と内臓合わせて7kgくらいもらってしまいました。イノシシ料理この場を借りて感謝します。

7kgもあると冷蔵庫にも入らないので、5等分にして、親戚友人に送りました。

ただ、ヒレ肉は2切れしかなく、猟師さんの超おすすめだったので、一切れは自分がもらいました。料理方法はフライパンでウェルダンとミディアムレアの中間くらいまで火を通したあと、トマトケチャップとニンニクのみじん切りを肉汁で炒めてソースを作り、そのソースでエリンギとチンゲンサイをいためました。

火を通したヒレ肉を切り、ホカホカのごはんの中央に乗せ両側にチンゲンサイとエリンギを置き、上からニンニクとトマトケチャップの肉汁ソースを掛けました。

イノシシ料理

猟師さん言う通り、最高においしい部位でジビエとは思えないほどやわらかく、しっとりとしていて、肉汁も豊富。一番すごかったのが、全く臭くなかったことです。以前、友人宅でイノシシのボタン鍋をしたことがあったのですが、薄切り肉にも拘わらす若干獣臭さが鼻に抜けた経験があったので、これにはとても感動しました。
とても残酷な行為でしたが、あの止め刺しの血抜きの行為がここに活かされているんだな、と思いました。

イノシシ料理

そして、次に感動したのが、肝臓、レバーです。
今まで中華料理屋でレバニラ炒めとかを食べてきて、レバーって大体こんな感じか、と分かっていたつもりでしたが、この新鮮なレバ―に本当に驚きました。
ただ、切って塩コショウで炒めただけなのに、噛むと肝細胞の一つ一つがプチップチッと口の中で弾けるような食感で、どっしりしたレバニラ炒めのレバーの歯ごたえではなく、サクッというとてもレバーとは思えない歯切れでした。
もちろん、肉同様、全く臭みはありませんでした。

ハツと呼ばれる心臓部分も期待通りのおいしさで、歯ごたえがとてもよかったです。



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まとめ


昨今、メディアでは狩猟ガールやなんだと狩猟をブームにように扱い、野生の獣をとることが以前より身近に感じるような時代になりました。そういった書籍や漫画なども増え、狩猟に対しての意識は高まってきているように感じます。それに伴い、狩猟=狩り かっこいい、などのイメージが先行し、自分もそんな軽いイメージで狩猟を考えていました。
しかし今回の経験を通して、それにはちゃんとした道具の準備、使い方、知識、そして命を奪う生命への感謝を伴う行為だということに気づきました。

ジビエでもなんでもインターネットで手に入れられる飽食の時代になりましたが、だからこそ、その食料がどこから、誰に、どのように処理をされてきたのかを知ることが重要なのだと、体感できた貴重な体験でした。



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