中国語をよく知っているがゆえに・・・

海外カルチャーショック体験記

2018.07.31



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以前、カナダの大学で地衣類と海生カワウソ、ムースの行動研究の助手をやっていたころの話です。

大学といえば、国際化も進み、いまや留学生はどこの大学でも珍しくなくなりました。

多種多様な留学生がいるわけで、その中には日本に興味があり、
ネイティブの日本人から直接日本語を習いたい!という他国の留学生もいます。

そんなわけで、これも国際交流の一環でいい経験になるだろう、ということで、大学在学中はボランティアの日本語教師モドキみたいなのをやっていました。

ボランティア講師の頻度は週一で、毎週日曜日が留学生に日本語を教える日でした。

あるボランティアの日、大学のカフェテリア横の部屋でネットサーフィンしながら、生徒が来るのを待っていました。

しばらくして、生徒が到着。彼は香港出身で広東語のほかにも、メジャーな北京語も話せます。

ちなみにそれぞれ、英語で書くと

Cantonese = 広東語

Mandarin = 北京語 です。

 

その日、早速日本語のレッスンを始めたころ、
突然アジア人風の女性が部屋に入ってきて、
中国語で「自分」に向かって何か話し始めました。

 

自分、中国人じゃないんだけど・・・・

 

まぁ、ボランティアを始める前の学期から図書館で何人もの中国人生徒に中国語で話しかけられたので、
「またか」って感じだったんですが、

 

そこで、いきなりその日の生徒だった香港人の生徒がズバッと、

 

「We Don’t Speak Mandarin(北京語)!」
訳「俺ら北京語とか話せないから!」

 

と、英語で言ったので、その女性はハッとなって、

「この部屋は自分たちのグループが予約してるので、出て行ってほしい」

と英語言いました。

なに!?この部屋は予約とかできるのか!
と、そっちにびっくりしましたが、予約されているのなら仕方ありません。

自分たちはカフェテリアに移りました。

カフェテリアに移って、レッスンを再開したとき、ふと自分は思いました。

さっきの生徒の 「We don’t speak Mandarin(北京語)!!!」

一見、言い放ってカッコよく見えますが、おかしいところがあります。

気づきました?

「北京語話せないから!!」 と言い放った生徒。

もし、本当に北京語を知らなかったら、こういうはずです。

「We Don’t Speak Chinese!」

訳「俺ら中国語話せないから!」

そう、Mandarin (北京語)じゃなくて、Chinese (中国語)と言わなければならなかったはずなのです。

中国はメジャーな言語が広東語と北京語に分かれていますが、その実、多民族国家で、細分化すると多様な言語を話す民族で構成されているのは誰もが知っているところです。

なので、本当に広東語も北京語も中国語もわからなければ、こういう思考の流れになるはずです。

 

 

なんかアジア人の女性が中国語っぽい言葉で話しかけてくる

同じアジア人ルックだからって中国人とは限らないんだけど

ここはカナダで英語が主要言語の地域だから知らない人にはまずは英語で話そうね

英語で「We don’t speak Chinese!!」

 

こういう思考をたどるはずなのだが、その香港人の生徒は北京語と広東語を両方知っているが故に、無意識に北京語と理解して、

 

「We don’t speak Mandarin!!」ビシ

意訳「(俺、北京語と広東語両方話せるから、お前が何言ってるのかわかるけど、知り合い同士でもないし、ここカナダの英語圏だからとりあえず英語で話そうな!) 俺ら北京語話せないから!!」

 

となり、暗に「自分は広東語と北京語を話せるよ~」と暴露してしまったわけです。

 

それを本人に言ったら、苦笑いして、一言 

 「Oh, shit…..」
訳 「あ、やべぇ 笑」

 

なんでも、中国人の「アジア風の生徒はみんな中国人のはずだから中国語で話しとけ~」みたいなメンタルが大嫌いだそうです。

 

たしかに、ここはカナダの英語圏なんだから、まずは英語で話すのが基本ですよね。

 

でもこの際だから、カウンターパンチ的に北京語で「北京語わかりません」見たいなフレーズを習っとくのもありか?

 

海外の大学ではこういう面白いこともあったよ~ という異文化体験でした。



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