こんにちは、こんばんは。
ここ10年程、渓流釣りに行っていなくて、久しぶりにヤマメ、アマゴ、イワナの顔を見に行こうと思い、グーグルマップで見たよさげな場所に行ってみました。まぁ、渓流釣りって先行者がいると大体釣れないんですよ。なので、せこい自分は養殖場なんかの下流にいくわけです。そこから逃げ出した魚を狙って。
ほんとセコイです。
今回、その養殖場の下流の丁度良い場所を見つけて行ってみると、なんと神社兼洞窟を発見。その日は釣りをしたものの、洞窟が気になってしょうがなくて、次の日に装備を整えて洞窟探検に来てしまいました。
装備
持ってきた装備は、1000ルーメンのヘッドライト一つ、300ルーメンのサブヘッドライト一つ、乾電池式のランタン一つ、スマホ(前の3つが使えなくなった場合の非常用ライトとして)、そしてさらに今は使ってないガラケーも非常用ライトとして、そしてさらにさらにこれらの電子機器がなんらかの霊的なアレで使用不可になった場合に備えてチャッカマンを一つ持っていきました(一応この洞窟は神社も兼ねているようなので)。あとナイフも一つ。冬眠中の熊とかが巣穴にして寝てるかもしれないし・・・。そして非常食に干しイモとカロリーメイト。もし探索中に南海トラフが炸裂して閉じ込められても生きられるように・・・。ほんとだったら複数で行くのが良いと思いますが、そういう人が身近にいませんので単独探検です・・・。
ということで、お参りをしたあと、さっそく洞窟へ潜っていきます。
ソロ洞窟探検
入口にあるロープをつたって3mくらい下に降りたら行き止まりっぽかったんで、なんだこれっぽちかぁ~なんて思ってたら、横穴があり、そこから無限の闇が広がってました。
10mくらい奥へ進むといきなり大きな壁にぶちあたります。
ここで終わりかなと思いきや、ここから左右に道がわかれています。
そして、このあたりはコウモリのねぐらになってました。
後で調べてみるとキクガシラコウモリという種類のようです。
ってかほぼ垂直の壁に掴まったままでよく足疲れないな・・・
暗闇でうまく写真がとれずボケてしまっているけど、ちょっとした突起を足の指で掴んでそれでぶら下がっています。コウモリの足の指の力ってはんぱない・・・。
天井の起伏をよく見るといっぱいいました。
手の届く位置にも居たけど、仮に捕まえるときに噛まれたりとかしてジステンバーウイルスもらって狂犬病で死んでも嫌だし、なにより野生動物から発生した可能性もあるコロナの時代にウイルス保有者たりえる種類の動物に触るのはまずい。
うーん、でもコウモリのスープは美味しいって聞いたことがあるしなぁ。とにかく今回は捕獲する道具を持ってないのと、一匹捕まえて他のコウモリが起きて襲ってこられても困るし、なによりコウモリって法律的に捕獲OKなのかも知らない。普段だったらその場でスマホで調べるんだけど、洞窟の中なので当然電波がない。
まぁ、コウモリのスープは機会があったら、ということで、ここでライトを消してみます。
消してみると洞窟の入口から10mくらいしか離れていないのに、完全な闇。
高校生の時の修学旅行で沖縄の防空壕に行ってみんなでライト消したときのことを思い出します。
自分の手すら見えないなかで響くのは天井から落ちる水滴の音と遠くに聞こえる川の流れる音。
今ここでライトがすべて使えなくなったら入口から10mの距離で確実に遭難します。
そして昔、本で読んだんですが、人が暗闇の中で一人で耐えられる時間は72時間でそれ以上たつと精神に異常をきたすらしいです。
うん、72時間なんて絶対にムリ。
この暗闇でライト失ったパニックと合わせて数時間で精神崩壊する地震があります。
そう地震・・・「自信」と打とうと思って出てきたこの単語。
そいえば今この瞬間に南海トラフが来たらそれこそ洞窟に閉じ込められますね。
岩が落ちてきて一瞬でグチャで死ねれば良いですが、ヘタに足を挟まれて完全な暗闇の中で
死ぬまで耐えるとか・・・
まだ10mの距離ですが、こういう嫌なことがポンポン頭の中に出てきて恐怖心を煽ります。
洞窟探検って精神的な面もあるんだなぁ、としみじみ体感しました。
ではさっそく、まずは分かれ道の左側に行ってみます。
動画ではブレブレのところをカットしたのでわかりづらいですが、上に登る道があったのですが、5mほどいくとすごく狭くなっていたので、それ以上は登れず。5m進んだところで元の分岐点に戻ってきました。後から洞窟探検の装備をネットで見たんですが、みんなリュックとかしょってないんですね・・・。這いつくばったりできるように上下つなぎの服が標準装備のようです。
今度は分岐の右へ行こう・・・とおもったら壁になにか発見。
オレンジ色のコケ?地衣類?よくわかりませんでしたが洞窟の生態系の一部なのかな?
他にも灰色の雫みたいなものの中に金色の雫みたいなのも見つけました。
灰色の雫↓
↓
↓
なんなんでしょうか、これらは?
もしご存知の方がいらっしゃったらコメント欄で教えてください。
そしてこんな穴もけっこう見れました。竪穴なら雫の侵食でまだ理解できますが、横穴です。
どのように形成されたんでしょうか・・・。↓
しかし、洞窟の中をキョロキョロしながらいくと、漫画のゴブリンスレイヤーで
主人公が言っていた洞窟の壁には隠し通路がたくさんある、というのがよくわかります。
なんたって壁の凹凸がものすごい。波が横向きにうねっているようで、ヘッドライト程度では
壁のへこみなどすべて把握できません。これはゴブリンなめてたら一撃でチーンですわ。
人ひとりが通るのにやっとの横幅です。写真だと広そうに見えますが。
さらに進むとまた分岐に差し掛かります。この分岐まで天井にずっとライトが設置してあるんですが、
そのライトもここまで。まぁ、点灯してなかったからべつにいいけど。
しかし、この分岐から人工物が一切なくなると思うと、心細い限りです。
まず右側に行ってみましたが、右側はまた上り坂ですぐ行き止まりになったので左側に行きます。
ちなみにここまでで色々と生き物を発見しました。
ウジ虫みたいな幼虫。ウィキペディアで調べてみるとこういう虫がコウモリの糞やほかの生き物の死骸を食べて分解する役目を担っているそうです。
ゲジゲジ。名前はわかりませんがムカデの一種で生物の死骸や上のウジ虫みたいなのを食べているそうです。
地バチみたいな昆虫。飛びませんでしたが、洞窟の中で見た生物の中でコウモリに次いで機動力が高かったです。
そして、蜘蛛の巣みたいなのも見つけました。
昔、NHKで見た海外の洞窟探検で、幼虫かなんかが張っている糸が暗闇で光る、というのを思い出してライトを消してみたんですが、光りませんでした。違う種類なのかなぁ。
生物はこの辺にしておいて、先へ進むとまた二手に分かれていました。
右側を覗くとなんと川が!
右側の穴です。さらに二手に分かれていますが、写真だとわかりづらいのですが、ここめちゃくちゃ狭いです。そして川が流れています。
上の写真もそうですが、動画も映像だとかなり広く感じられてなんでこっちの穴行かねんだよーって思うかもしれませんが、実際はすごい狭いです。たとえば上の写真。横幅が2mくらいありそうですが、BMIが20の自分の体の幅いっぱいです。
なので、子供なんかはもっと奥のほうまで行けるかもしれませんが、行かせる親はいないでしょう。
右側で川の流れを確認したところで、左側へ行きます。ここも動画ではかなり広そうに見えますが、実際は体育座りでギリギリ通れるくらいです。尻が濡れました。
体育座りで進んでいくと少し広いところに出て、足元を川が結構な勢いで流れてます。
おお~~~洞窟の中に川が!!!
水深は深いところで30cmほど。
洞窟の中で光が届かないため、コケなどは生えておらず川虫もいない・・・
と動画で言っていましたが、じつは一匹だけ3cmくらいのオニチョロみたいな川虫がいました。
動画では一瞬でどう頑張って編集してもわかりづらかったのでカットしてしまいましたが、流されてきたんでしょうか。
もう少し川虫の密度が濃くて、水の流れがよどんだ深いポイントがあったら洞窟の中で魚釣りもできたんですが・・・
そこからは水の流れと一緒に川の侵食によってできた道を通って行きます。
この暗闇の中を一人で探検するとですね・・。色々と嫌なことや怖い事が思い出されてくるんですよ。たとえば洞窟探検サバイバル映画のDescentとか。あと、タイトル忘れたけど、地底湖の細菌に感染してモンスターになっていく人間の映画とか。あの映画なんだったかな。久しぶりに見たいなぁ。もしご存知の方いらっしゃったらコメント欄で教えてください。
それでですね、そういった映画に出てくる地底モンスターの声がいつの間にか川の流れる音と混ざりあってくるんですよね。
川の流れる音にモンスターの叫ぶ声が聞こえたような気がしてところどころ後ろふりかえってしまうんです。
これライトあっても洞窟に閉じ込められたら精神がおかしくなるのもわかります。
ということで動画で視点が定まらずフラフラしてますが、そういう事情もあってかなり見づらくなってます。
すみません。
その狭い水路を10mくらい進むとこんな感じのところにたどり着きました。
正直ここが限界ポイントだとわかって本当にほっとしました。
言ってしまうと罰が当たりそうですが、もっとちゃっちい洞窟で10mかそこらだと思ってました。
それがどんどん奥へ奥へと続いていて、分岐に次ぐ分岐で、これ洞窟の中で迷って出られなくなったらどうしよう、と不安になり始めたころで、いっそのことどこで自分の好奇心と折り合いをつけて引き返そうか迷っていました。
そんな風に思っていたころで丁度行き止まりまで行けたので、これで思い残すことなく帰ることができます。
ちなみに、地上に戻ってこんな標識を発見しました。
長さ数百メートル!!!!???
今回自分が行けた距離は多く見積もっても50mいくかいかないかです。自分の装備で行ける限界まで行ったので満足でしたがまさかその何倍も実際にはあるとは・・・。
何はともあれ、無事地上に帰ってこれました。
ソロ洞窟探検の動画をどうぞ
洞窟探検の後が真の恐怖だった!!
洞窟の中は奥にいけばいくほど周りの岩壁の圧迫感で言いようのない恐怖がありましたが、実は一番の恐怖は洞窟を出たあとに待っていました。
この洞窟の入口と同じ高さの対岸は舗装されていて、そこに車を止めてから、川を橋で渡って洞窟兼神社まで来れるのですが、その対岸。一番下の駐車スペースの手前に狭いヘアピンカーブの急斜面があるんですよ。ここを下りてくるとき、かなり急だけど帰りは大丈夫だよね、と思いつつ一番下まで2WDの車で降りてきたんですが、探検が終わって車に乗って、さぁ帰ろうと車を発進。
いつもギア2でスタートするので、ギア2でそのヘアピン急カーブを上ろうとしたら、なんと登りきれずエンスト。後ろに下がり始める車、真後ろはすぐ川。やばい!と思いすぐハンドルを切って元の駐車場にバックで戻る。

ふぁ!!やばかった!ハンドル切ってなかったらそのままバックで車ごと渓流に落ちてました。
しかし、まだ本当の恐怖は序の口。
そうか、ギア2は無理だからギア1ならいけるっしょ、と今度はギア1でヘアピン急カーブを上ると、なんと6割くらい登ったところで後輪が空回り!窓開けて走っていたので、ゴムの焼ける匂いがして、また車が後ろに下がり始めたので、急いでハンドルを切って川への落下を避ける。
やばい・・・
この時、心臓がドックン、ドックンなり始め、汗が出てきました。
まじで?ギア1で登れないって・・・・この谷から出れないじゃん・・・
ドックン ドックン
とにかくもう一度やってみよう。今度は助走をつけて急こう配のヘアピンカーブに突入してみよう。
そして、今度はある程度長く直線距離を取り、ギア1で加速して一気に坂を上る!!!
が、坂の7割程行ったところで、またしても後輪が空回りして車が後ろに下がる!
やばい!! 急いでハンドルを切り、川へ落下しないよう駐車スペースに戻る。
ここでさらに焦る。
時間は17:02。もうすぐ暗くなる。谷の合間で携帯の電波がとても弱い。ジャフは去年解約済み。しかもガソリンケチって給油してこなかったので、あと1メモリしかない!
や・ば・い!!!!
山奥の谷から出れない!!!そう自覚するとますます心臓がドクドクしてきて、息が荒くなる。
と、とにかく、今度はもっと助走してみよう。
上の写真の青丸が一番下の駐車スペースなのですが、そのコンクリート舗装部分も限りがあります。あんまり後ろに下がるとその先にある、ぬかるんだ泥でそれこそ、そこにタイヤがはまりかねません。ギリギリまで下がって、そこから一気にギア1でアクセルを踏みます。
坂までは約30m。アクセル全開で坂に突っ込み、そこから急カーブに合わせてハンドルを切る!!!!
すると、今度は車が坂の8割ぐらいまで行った!!!
が!
そこで後輪がまたしても空回り!だが、ここでまた下がると、バックで川に落ちる危険がある!
ここは押し通る!!!とアクセルをもっと踏み込んだ瞬間、空回りしていたタイヤが地面をとらえる感触が伝わり、その瞬間前にグンッと進んでなんとか上の写真の赤丸の坂を超えることができました!
すぐさまサイドブレーキを引き車を固定。気づいたら、ハンドルを回して、アクセルを踏むだけなのにめちゃくちゃハァハァ息が切れてました。今となっては笑いごとですが、まだ、「ハァハァ息が切れてました(笑」などと、「笑」マークを付けられるほど風化はしていません。
刻々と暗くなっていく山奥。携帯の電波も微弱。ガソリンも残り1メモリ。食料は干しイモのみ。対岸のぽっかり開いた真っ暗な洞窟と神社。そして、目の前の越えられない坂。
はぁ~~~本当に怖かったっ!!
こんな恐怖を感じたのは去年の4月、コロナ真っ盛りのときに、救急車で運ばれたとき以来でした。
生きてて良かった。生きてるだけで満点です。
ということで、洞窟探検がメインのはずのこの記事で一番印象が強かったのが探検後の駐車スペース脱出という、わけのわからん記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
2WDの車で稲葉洞に行くときは上の図の黄色丸の駐車が断然!おすすめです。
こわい!
これはこわいですよ!(^_^;)
ほんと、洞窟もですが、谷から脱出できなかったのも本当に怖かったです。
コメントありがとうございます!